東日本大震災10年の軌跡
12/152

日ごろより仙台市政に対しまして、格別のご理解とご協力を賜り厚く御礼申し上げます。多くの方が尊い命を落とされ、住み慣れたお住まいや大切なふるさとの街を失うなど、東日本一帯に甚大な被害をもたらしたあの大震災から10年の歳月が流れました。長く険しい復興の道のりを、今日までともに歩んでこられた市民、商工業者、そして貴会議所の皆さまに、改めて深く感謝申し上げます。東日本大震災は、地震や津波による直接的な被害だけでなく、その後の風評被害など、長期間にわたって東北の地域経済に大きな影響を及ぼしました。そのような厳しい状況下においても、東北六魂祭や東北絆まつりをはじめ、東北一丸となって観光プロモーションに取り組むことで、また事業者と商工団体が連携して販路開拓を行うことにより、少しずつ震災前のにぎわいを取り戻し、売り上げを回復し、さらには震災前を越えて大きく経済成長を遂げるところも出てまいりました。一方で、今般の新型コロナウイルス感染症の流行により、地域経済は再び厳しい状況下におかれています。しかし、ここ仙台は、あの未曽有の大災害からでさえ、粘り強く復興を成し遂げてきた街です。貴会議所の多岐にわたる活動をはじめ、人々が相互に助け合うこのまちの底力を発揮すれば、再び東北の経済を力強く成長させ、将来への飛躍へとつなげていくことができると考えております。本市では、東日本大震災で被災した経験等を生かし、「防災環境都市・仙台」として震災の記憶を次の世代へとつないでいくとともに、災害に強いまちづくりや、持続的な経済発展に取り組んでまいりました。貴会議所におかれましては、今後とも、本市とともに、地域の商工業者を支援し、地域経済を後押しするパートナーとして、変わらぬご協力を賜りますよう、改めてお願い申し上げます。結びに、東北の経済拠点である本市の経済活性化を誘引する力として、貴会議所のご活躍に改めてご期待申し上げるとともに、貴会議所の今後ますますのご発展とご健勝を祈念し、ごあいさつといたします。仙台市長郡 和子東日本大震災から10年の歳月を経て仙台商工会議所 東日本大震災 10年の軌跡10

元のページ  ../index.html#12

このブックを見る