東日本大震災10年の軌跡
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記憶と経験を次代に継ぐ第4章復興への機運を高めた祭り 〜オール東北で元気を発信〜から再スタートを切り、引き続き復興のシンボルとして東北を巡っている。この、東北六魂祭と東北絆まつりが果たしてきた役割は、単なる祭り・イベントとしての集客や情報発信にとどまらない。この枠組みで培われた東北6市の絆は、その後、国内外における多くの催しをはじめとしたさまざまな場面での、一体的な取り組みの基礎となった。6市のネットワークで行ってきた国内外におけるPRの代表的なものとしては、2015年7月に開催されたイタリア・ミラノ万博のナショナルデー「ジャパンデー」での東北復興祭りパレードがある。ここでは、東北の10祭り(県庁所在地6祭り・JAグループ福島地域の4祭り)と、日本を代表するキャラクターたちが、イタリア国民のみならず、世界中の人々に向けて、被災地支援に対する感謝の気持ちと、復興に向かう東北の元気な姿を発信した。また、2014年から16年にかけては、伸び悩む海外からの観光誘客と東北産品の販売促進を目的に、米国の4都市で、観光物産販売フェア「RISING TOHOKU FOOD FAIR」を開催した。ここでは、カメイ株式会社(仙台市)の子会社でアメリカ国内に9店舗のショッピングセンターを展開するミツワマーケットプレイスの協力のもと、同社が運営するスーパーで東北の物産販売をしたほか、店内の特設ステージで東北の夏祭りをPRした。2017年からは、タイ・バンコクにおける「JAPAN EXPO Thailand」や「バンコク日本博」に参加し、東北の夏祭りの迫力あるパフォーマンスを披露している。国内では、2020東京オリンピック・パラリンピックに向けた盛り上がりをつくっていくため全国各地で催されている「JAPAN市」に協力してきた。2019年12月には、そのメインスタジアムとなる国立競技場の一般向けオープニングイベントに参加して、総勢610人が各祭りの流し踊りと演舞を繰り広げた。このほか、首都圏などで行われるイベント等にも数多く招かれ、その度に東北の元気を発信し続けている。右:東北六魂祭で仙台の七夕飾りの下を青森ねぶたが運行する様子(2011年7月17日)。左上:これまでにない夏祭りの共演を見に全国から大観衆が訪れた。左下:2011年5月31日に開かれた記者会見で東北六魂祭の開催を宣言する6市長と鎌田会頭。53

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