東日本大震災10年の軌跡
70/152

第1部防災集団移転跡地の利活用 防災集団移転促進事業によって移転者から仙台市が買い取った土地は、市民や事業者に貸し出され、同市の新たな魅力を創出する場として利活用される。跡地は5つの地区に分かれ、その土地の特徴を踏まえた利活用計画が示されている。 海水浴場や貞山運河等の地域資源がある荒浜地区には、体験型観光果樹園や市民農園等を整備。南蒲生地区と新浜地区は地元町内会による新たなまちづくり計画が進んでおり、南蒲生地区にはドッグランや農産物の生産・加工・販売所、新浜地区にはビオトープや体験農園等が整備される。また地元生産組合によるネギの栽培が盛んな井土地区には、「仙台井土ネギ」のブランド化に寄与する農園、井土浦の干潟や海岸公園等の自然環境に恵まれた藤塚地区には、飲食店、温泉、マルシェ等の複合施設が整備される予定だ。 仙台東部地域は、被害が大きかった分、復興を象徴するエリアでもある。文化やにぎわい、さらには農業分野の振興などによる新たな産業の創出も期待されているところだ。当所では、本エリアを、復興はもとより、市経済の発展に向けた一つの重点地域と捉え、農商工連携や六次産業化などの業種間連携を推し進めながら、新しい交流拠点としての地域形成を後押ししていく。荒浜地区に完成した「JRフルーツパーク仙台あらはま」(2021年3月オープン)。南蒲生地区のドックラン「がもうパーク」(2020年6月オープン)。藤塚地区には今後複合施設が整備される予定。各地区の状況(2021年3月現在)。仙台商工会議所 東日本大震災 10年の軌跡68

元のページ  ../index.html#70

このブックを見る