東日本大震災10年の軌跡
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記憶と経験を次代に継ぐ第9章復興を牽引する商工会議所の組織・体制づくり亀裂が入った3階フロアの壁面。会員の財産である会館の補修商工会議所会館に関しては、2006年に実施した耐震補強工事により、躯体への大きな被害は無かったものの、会議室の一部で天井が落下したほか、各階における壁面化粧板のひびや剥離、床面の亀裂等が見られた。この補修は2011年10月下旬から1カ月間、約900万円の費用をかけて行っている。津波で会館自体に大ダメージを受けた会議所もある中、前述の耐震工事の甲かい斐もあり、会館の機能を保つことができたのは、仙台商工会議所にとって幸いなことであった。会館が発災直後から復旧・復興の拠点となり得たことはその後の活動にとって非常に大きな意味を持つ。すぐに対応協議に入ることができたのはもちろん、日商をはじめ全国各地から届く支援物資の物理的な受け皿にもなれた。それら支援物資は青年部メンバーなどのサポートにより、物流がストップする中でも各地へ迅速に届けることに努めた。こうして仙台商工会議所は、支援活動を展開するベースを整えていった。被害状況と補修被害状況補修内容会議室等天井の損傷 8部屋※7階・4階・3階会議室(各2部屋)、会頭室・貴賓室7階大会議室空調・照明器具落下 2カ所・ パテ・塗装工事・ 器具復旧工事壁面大理石の損傷亀裂低層階トイレ 7カ所3階エレベーターホール 56㎡南北階段 200カ所・ 交換および補修(充填・研磨)・ 3階エレベーターホール西壁面の解体・ 新材との交換(解体29㎡、新材27㎡)・ 解体材の再加工・再利用(会頭室前等)コンクリート壁・柱のひび割れ南北階段、地下共用部、7階大会議室倉庫・ 樹脂注入、塗装壁面パネルのズレ1階東・2階西事務室・ 現状に修繕復帰壁・床面タイルの亀裂4階厨房・地階トイレ 100枚地階エレベーターホール 216枚・ 塗装および貼替(外構部)南境界壁下部剥落 8m・ 現状に修繕復帰正面玄関前床石亀裂 2枚・ 交換工期2011年10月21日(金)~11月27日(日)工事費用約900万円83

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