東日本大震災10年の軌跡
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2011年3月11日、東北地方を中心に未曽有の被害をもたらした東日本大震災から10年が経過しました。この間、被災地の復旧そして復興にご尽力いただいた仙台商工会議所の皆さま方に対して深甚なる敬意を表します。貴商工会議所におかれましては、震災直後、早々に緊急相談窓口を設置し、被災された事業者の相談に親身に寄り添ってこられました。津波等では多くの事業者の生産機械等が流出・損壊しましたが、全国各地の事業者から遊休機械等を提供いただき、被災された事業者の要望とマッチングを実施したほか、施設や設備の復旧支援事業であるグループ補助金などの国の施策にも呼応し、生なりわい業の再生に大きく貢献されてこられました。また、宮城県商工会議所連合会、東北六県商工会議所連合会の事務局として、仙台市のみならず広域的な視点で、販路の回復や開拓支援に積極的に取り組まれました。交流人口の拡大に向けて、東北の代表的な夏祭りを一堂に集め、鎮魂と復興を願った「東北六魂祭」の開催にご尽力いただき、継続されるなど、被災地域の復興を大きく後押しされました。これまでの取り組みに対しまして、改めて深い敬意を表する次第です。震災から10年を迎え、東北地域の産業復興は大きく前進しました。今後は、「新たな日常」を先取りすることにより、日本経済がこれまで抱えてきた構造的課題である、少子化、低付加価値生産性、東京一極集中等を解決するチャンスにもつながります。そのため「デジタル」、「グリーン」、「健康・医療」、「レジリエンス」などウィズコロナ、ポストコロナに求められる構造転換に向け、長期的視点に立って日本企業の改革を後押し、加速させることが必要であり、皆さまのさらなるご尽力をご期待申し上げます。東日本大震災からの復興の過程で得た数々の知識や経験そしてご縁は、次世代を生き抜く力となります。このコロナ禍における逆境をもチャンスととらえ、乗り越えていけるものと信じております。東北経済産業局といたしましても、この10年という節目に当たり、あの時誓った「東北を復興させる」という強い思いを心に留め、関係者の皆さまと共に引き続き復興に取り組んでまいります。東北経済産業局長渡邉 政嘉東日本大震災から10年を迎えるに当たり7

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