東日本大震災10年の軌跡
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記憶と経験を次代に継ぐ第10章商工会議所による復興に向けた要望・提言■要望者 東北六県商工会議所連合会、宮城県商工会議所連合会、仙台商工会議所■要望先政府および日本商工会議所関係者ほか ※本要望文は、2011年4月から8月にかけて行った各種要望および政府・日商関係者他によるヒアリング等において、適宜加筆修正しながら使用したもので、ここでは8月の日商関係者に対する内容を掲載。3月11日に発生した「東日本大震災」による被災事業者の復旧・復興は、発生後約半年が経過するものの、スピード感に乏しい。復旧はもとより、再構築を目指す地域経済復興のための新たな課題も出現し始めている。今回の震災は国難であるとの認識に立ち、全世界が復興に注目している状況から、以下に掲げる措置をはじめ、既存の枠組みや制度・施策を大胆に超える復興のための支援策を、強力かつ迅速に講じられたい。最重点要望項目■復興財源の速やかな総額提示と復興へ向けた道筋・関与の明確化■既存制度や予算運用の一層の弾力化と新たな枠組みの大胆な創設■被災中小企業が単独で申請可能な直接補助制度の創設■原発事故による風評被害への対応と放射性物質の測定・検査の徹底■(仮称)東日本大震災メモリアルパークの設置、放射能および再生可能エネルギーに関する拠点研究施設の整備Ⅰ.新しい地域社会の形成に向けて1.インフラ整備等(1)復興ビジョンの実現に向けた「災害復興交付金」の創設(2)省庁の縦割りを排し、効果的・効率的な支援体制が可能な「復興庁」の被災地への創設(3)防災・災害時の代替機能も想定した道路、鉄道、港湾、空港、堤防、通信等インフラ整備の促進と予算の確保等(4)復旧にとどまらない災害に強い新たなまちづくりの推進のための土地利用や都市計画等の法的支援(5)復興まちづくりに対する十分な予算の確保と復興計画策定に要する費用への支援(6)水産業を取り巻く漁港機能の再建への支援(漁船確保、岸壁、市場、オイルタンク、水産加工団地の復旧、漁船整備や食料の仕込みなどを含めた漁港機能全体)5.東日本大震災の復旧・復興に関する要望行なうべきである。また、風評被害による損害について、相当の因果関係が認められるものはすべて補償の対象とし、適切な対応を図られたい。4.被災地域における商工会議所等経済団体に対する 支援について被災地域の商工会議所における小規模企業等に対する相談・指導体制強化のための助成等の支援が必要である。95

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