㈱ブロスアップ 代表取締役社長 原田 佳和 氏
商品開発や販路開拓に関して、売るための視点と思考の幅が広がりました。
原田 佳和 代表取締役社長(左)と齋藤 克哉 経営支援員(右)
商品企画アカデミーで足りない知識と経験を補完
現在、仙台市内に「だし廊」というラーメン店を3店舗展開しています。最初のお店を出す際に、資金調達に関することで商工会議所の窓口専門家相談を利用しました。それが縁で会員になり、定期的に送られてくるメールニュースや月報などを見て、興味のあるセミナーへ積極的に参加してきました。
その中でも大きな手応えを感じたのが、講義とグループワークを通して商品開発の発想力や企画力を高める「商品企画アカデミー」です。このアカデミーの参加者を募集していたころ、弊社は新商品「UMAMIオイル」の開発プロジェクトを抱えていました。それを形にするには、社内の知識や経験だけでは足りないことを自覚していたため、商品開発の基本をイチから学ぼうと従業員を含めた3人で参加しました。私1人が受講し、そこで学んだことを従業員たちに伝えることは、質的にも時間的にも到底できません。結果的に三者三様の学びが得られ、視点と思考の幅が大きく広がったのは、今後の事業展開のためにも、とても良い機会だったと思います。
UMAMIオイルは、カップ麵や前日につくったおみそ汁、お料理などにプラスするだけで、簡単に"味変(あじへん)"できるという商品です。私たちには「つくる技術」はありますので、比較的早い段階で商品自体は完成させることができましたが、それだけでは「売れる商品」にはならないことをこのアカデミーで痛感しました。「誰に、どんなシーンで、どのように食べて欲しいのか」といったターゲットの絞り込みを、「これでもか」というほどに突き詰めて考えた結果、特徴が際立った、他にはない商品に磨き上げられたと思います。また、連続講義の形式なので、"お尻をたたいてもらう感覚"で進められたことが、商品開発のスピードアップにもつながりました。さらに、グループワークで異業種の方々からいただいた斬新な意見が貴重なフィードバックとなり、商品のさらなるブラッシュアップもできました。
新商品販売に向けて最初の一歩を踏み出す
この他にも、マスコミを惹きつける情報発信術を学ぶ「プレスリリースセミナー」を受講しました。その後、実際にプレスリリースを作成して、同セミナーの参加企業から選出された方々との合同プレス発表会にも参加。弊社の存在やUMAMIオイルを多くの報道機関に効果的にアピールできました。
今後は、このオイルをより使いやすくしていきながら、魅力的に見えるパッケージデザインの作成にも力を入れて、本格販売の準備を整えようと思っています。また、コロナ禍で具体的な時期は見通せないものの、海外出店も視野に、情報収集を続けていきます。
これからも、困り事は商工会議所に相談しながら進めたいと思いますし、せっかく会員になっているのですから、読者の皆さんも何か実現したい思いがあれば、最初の一歩として窓口専門家相談を利用したり、セミナーに参加されることをお勧めします。
だし廊では、「煮干し」や「だしのブレンド」などのコンセプトに基づいて、各店で異なるメニューを展開している。写真は、本店で提供している人気メニューの「貝だし塩そば」。
創 業 | 2016年7月 |
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事業内容 | 飲食業(ラーメン店)、食料品製造販売、コンサルティング業務 |
所在地 | 仙台市青葉区一番町1-15-19 旭トークビル202(本社) |
ホームページ | https://www.dashiro.com/ |