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地域別最低賃金額改定の目安に対するコメントについて

仙台商工会議所

 地域別最低賃金額改定の目安に関する審議が実質的に結審し、全国加重平均額では28円、3.1%の大幅な引上げとなった。これは昭和53年度の目安制度開始以来で最高額の引上げであり、コロナ禍の厳しい経済環境下にあっては到底納得できるものではない。

 加えて、引き上げ目安が4ランク一律に28円とされたことも、地域の実情を考慮したランク区分の意義が失われている。

中央最低審議会は本来、各種指標やデータに基づき、公労使による真摯な議論によって納得感のある結論を見出すべきであるが、今回、「骨太の方針」に記載された最低賃金引上げの政府方針を追認するような結論となったことは、審議会及び最低賃金決定のあり方自体に疑問を抱かざるを得ない。

審議過程にあっては、コロナ禍で企業の業況は業種・規模等で二極化していることを踏まえ、中小企業・小規模事業者の窮状、とりわけ困窮している宿泊、飲食、交通・運輸、イベント等の業種における経営状況や支払い余力に焦点を当てるべきであり、現下の厳しい経済の実態を超える大幅な引き上げは事業者の実態や痛みを理解していない結論と言わざるを得ない。

当地域においても中小企業は、コロナ禍により大変厳しい経営を強いられているなかで、何とか事業の存続と雇用を維持しようと、先が見通せない状況の中で懸命の努力をされている。

 中小企業の労働分配率が8割弱と言われている中で、分配率をさらに高めることは、経営上厳しく、多くの経営者の心が折れ、廃業が更に増加し、雇用に深刻な影響が出ることを強く懸念する。

 これから地方審議会での議論が本格化していくが、仙台商工会議所としては使用者側の代表として、中小企業・小規模事業者や地域経済の窮状をしっかりと考慮した検討を願うとともに、その先に「成長と分配の好循環」を生み出すためにも、今は、官民、労使で力を合わせて「事業の存続」と「雇用の維持」を最優先すべきと考え、今年度は最低賃金を引き上げず「現行水準を維持」するよう強く訴えていく。

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