髙橋英二補綴物製作所 代表 髙橋 英二 氏
小さな疑問を解消し続けることが、他社との差別化にもつながりました。
髙橋 英二 代表(右)、松川 ゆかり 経営支援員(左)
より良い補綴物を提供していくための頼れるパートナーを求めて
近年、歯科医師がスキャナーで患者さんの口腔内を撮影し、そのデータを基に歯科技工士が詰め物等を製作するなど、これまで作業者の長年の経験による技術で仕上げてきた仕事にデジタル技術が導入され始めました。こうした業界の変化を受けて、自分の培ってきた経験や技術があれば、より良い補綴物を提供できるのではないかと考え、創業しました。
創業後、資金調達のために出向いた日本政策金融公庫で、担当者の方から商工会議所の話を伺い、経営に関する相談ができるパートナーの必要性を感じていたことから、創業してすぐに商工会議所の会員になりました。入会後まもなく、商工会議所から創業時の応援金として「創業応援助成金」をもらうことができ、支出が多い時期だったこともあり、大変助かりました。
いち早く時代の変化に対応し選ばれる歯科技工士に
現在、商工会議所では、「窓口専門家相談」を定期的に利用しています。創業当初、自分たちで経理業務を行っていくため、知識はなかったものの、会計ソフトを使いながら大まかにでも流れを理解しようと奮闘していました。しかし、独学ということもあり、どうしても不明点が出てきてしまうため、思い切って専門家に相談しました。対応いただいた税理士の先生は、私が使用しているクラウド会計ソフトに精通した方だったため、スムーズに疑問が解消できました。それと同時に、少しでも自分でできることを増やすため、「この場合はこういう仕訳をする」などという過程を、自分の頭で理解するための努力もしました。
また、創業して1年半が過ぎたころ、自社で対応できる作業範囲を増やしていこうと、新たな設備投資を決意し、「マル経融資」を利用しました。創業からすぐの追加融資だったため不安もありましたが、担当支援員の松川さんがどんなに小さな疑問にも丁寧に答えてくれて、大変助かりました。その後、無事に追加融資を受けられたことで、これまで培った技術を基盤としながらも、新しいデジタル技術により、今まで以上に高い精度で安定した品質の補綴物が提供可能となったことで、他の同業者とのさらなる差別化を図ることができました。
経営には、それぞれの事業所特有の悩みがあります。商工会議所では、その細かいニュアンスを直接伝えながら、今、弊社が求めているサポートを受けられるため、とても頼りにしています。もしかすると、これはAI(人工知能)が人間に取って代わることのできない部分かもしれません。今後は、こうした今までの経験を踏まえて、デジタルツールに任せられるところは任せて仕事の効率化を図り、営業力を磨いてコミュニケーションを取っていくことで、多くの歯科医師の方から選ばれる歯科技工士を目指したいと考えています。時代の変化に備えて、常に少し先回りして準備をしておくためにも、パートナーである商工会議所の存在は、弊社にとって欠かせないものですね。
歯科技工用スキャナーでの作業の様子。3DCADで設計することにより、従来の手作業では製作できなかった新しい材料を削り出すことが可能となる。
創 業 | 2021年6月 |
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事業内容 | 歯科補綴物(被せ物、詰め物など)の製作 |
所在地 | 仙台市青葉区高松2-15-32 2階 |