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ビシガリ 代表 中村 篤志 氏

専門家目線の提案には、多くの発見と気づきがありました。

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中村 篤志 代表(左)と神田 寿己 経営支援員(右)

「強み」を自覚して自信に

 私は仙台出身で、高校卒業と同時にスペインへ渡り、5年間滞在して調理師学校で学び、飲食店などで料理の経験を積みました。帰国後、東京や大阪の老舗スペイン料理店に勤務すること23年間、スペイン・バスク料理一筋に腕を磨いてきました。コロナ前から、Uターン創業も視野に入れ、独立する時期と場所を模索していたのですが、創業に関する知識も、仙台に関する情報もなかったことから、相談に乗ってもらえる所を探し、たどり着いたのが商工会議所でした。
 最初は私の経歴や開きたい店の特徴、自分で調べた出店場所などについてお話ししました。正直、不安しかありませんでしたが、中でも心配だったのは、開業資金に関することだったので、担当支援員の神田さんに正直に相談したところ、私が申請可能な融資の制度や、申請の手順などについて親身になって教えてもらえました。いつまでに、どんな書類を用意する必要があるのかを段階を踏んで教えてもらうことで、神田さんへの信頼感も生まれ、安心して書類の準備を進めることができました。なぜ信頼できたのかといえば、私も意識していなかった、自分自身の「強み」を見いだして、「これだけの独自性をもっているのだから大丈夫」と勇気づけてくれたことが大きいと思っています。その言葉に後押しされて、事業計画書を作る際には、自分の熱意をしっかりと盛り込むことができましたし、日本政策金融公庫さんとの面談にも、自信をもって臨むことができました。

データを生かした店づくり

 いただいた情報の中で特に役に立ったのは、出店エリアに関するデータでした。これをもらっていなければ、仙台駅東口エリアの特徴に気づけなかったと思います。スペイン料理の中でも、バスク料理というジャンルは珍しいので、当初は遠方から来ていただくお客さまを想定して店づくりを考えていましたが、周辺に住む方々のデータからライフスタイルなどを推察した後は、周辺の企業で働く方々にも目を向けようという考えに変わったのです。これだけではなく、商工会議所からの提案には、新しい発見や気づきがいくつもありました。
 今回は、「宮城県スタートアップ加速化支援事業」の申請も採択され、サポートに感謝していますし、しっかり寄り添って伴走してくれる支援が実感でき、商工会議所に相談して良かったと思っています。これからも、この仙台でスペインの食を中心とした文化を発信していきたいですし、せっかく故郷に帰ってきたのですから、人脈を広げながら、皆さんと協力しつつ、「仙台はいろいろな国の食文化が楽しめるね」とか、観光で訪れた際にも「ゆっくり食事ができるお店が増えたね」と言われるようになりたいです。そのためにも、私自身が、宮城や仙台の歴史、文化について勉強していきたいと思います。

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お客さんの目の前でイベリコ豚の生ハムを切り出している様子。
中村氏は、生ハムのカッティング技術を競うスペインのコンテストでの優勝経験を持つ。
創 業 2023年8月
事業内容 本格バスク料理とスペインワインを提供する飲食店
所在地 仙台市宮城野区元寺小路306-14厚博ビル2階
ホームページ https://bixigarri.owst.jp/

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