蓮めぐり 代表 小川 典久 氏
やりたいを「できる」「形に変える」、そんな支援に出会えました。
小川 典久 代表 (左)と河野 佑太 経営支援員(右)
迷ったときの最初の一歩
約20年間、東京と中国で薬膳の修行を重ねてきました。 その経験を生かし、薬膳スープを専門とした飲食店を営んでいます。開業当初は、目の前の業務をこなすのに精いっぱいでした。そのような中、お客さまから「このスープ、家でも飲めたらいいのに」といった声を多くいただくようになり、パウチ販売を考え始めました。しかし、何から始めれば良いのか全く分からず、知人の勧めをきっかけに、商工会議所へ相談に行きました。
まず、担当支援員の河野さんからのアドバイスで、専門家の先生と現状の分析を行い、自分たちの課題を可視化しました。その結果、今後の運営についての道筋が少しずつ見え、パウチ販売の前にやるべきことがたくさんあることが分かりました。
そこで、主軸だったランチ営業以外でも収益が確保できるように、新たに「薬膳茶」の商品開発に挑戦することにしました。開発にあたっては、ブランディングやパッケージデザイン、価格設定に至るまで、専門家の方にトータルでご支援いただきました。先生に商品のイメージを伝えて、 パッケージデザインを形にし、予算内に収まるように相談しながら調整をかけていきました。
商品完成後は、新商品のテスト販売ができる、商工会議所主催の「仙臺ございんマルシェ」に出店。来場者の反応を直接見ることができ、商品の出来にも手応えを感じました。また、店の認知度が上がったことで、来店客数や、顧客単価がアップしたりと、その後の売り上げ向上にもつながりました。
強みを"伝える力"に変える場所
一連の相談と実践を通じて、「商品を売る」ために必要なことを学びました。日頃、職人として「良いものを作る」ことがメインになっており、デザインや販売導線の工夫といった分野には苦手意識がありました。しかし、経営においては、「作り上げた良い商品を、いかにしてお客さまに認知してもらうか」という視点が重要であることを、身をもって体感しました。
分からないことは、今や自力でインターネットを使って調べることも可能です。しかし、それでは得られる情報に偏りが生じたり、最適解を見つけ出すのが困難だったりします。その点、商工会議所という客観的な目線から、お店の状況や段階に応じた的確なアドバイスを受けることができたのは何よりの助けとなりました。自分たちの"強み" を、自己満足で終わらせず、お客さまに届く「伝える力」へと昇華させることができたと実感しています。
起業したばかりの頃は、つい身近な人に聞いて済ませてしまいがちです。しかし、第三者である専門家に相談することで、自分たちでは見えていなかった視点に気づけたり、選択肢が明確になったりと、大きな一歩を踏み出すきっかけになります。商工会議所は、的確な助言だけではなく、必要に応じたつながりを提供してくれる頼れる存在です。自分たちの道に迷ったときこそ、まずは相談してみることをおすすめします。
丁寧に煮出した清湯 (ちんたん)をベースにし、中医薬膳理論を基に組み合わせた食材を入れて長時間じっくり蒸し上げたこだわりの薬膳スーブを提供。
創 業 | 2022年10月 |
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事業内容 | 未病ケアを目的とした「薬膳スープと蒸籠ご飯」のランチセットを提供 |
所在地 | 仙台市青葉区本町2-5-14 加藤ビル1階 |